名前で飲む珈琲

以前こんな事がありました。開店初期、とあるお客様から「ここの珈琲は本当に美味しい」と褒めていただいて毎日の様に来ていただいていました。そんなある日、開店初期というのもあって即席のマドラーを切らしてしまったことがありました。そして、すぐ届くという理由で某大手U○Cさんにマドラーを届けていただけるようにお願いしました。すると先程のお客様は「ここの珈琲U○Cか…」とロゴの入ったマドラーを見て珈琲の仕入先をご判断されました。残念なことですが、それ以降、そのお客様はお見えになりませんでした。

理由は他にもあったかもしれませんが、正直その当時名前の怖さを知りました。他にもハワイアンの雰囲気でやっていた5年ほど前は「ここのハワイ・コナは美味しいね」とよく言われました。ハワイ・コナは取扱を考えたこともありましたが、どうしても味とコストのバランスが見合わないということで採用を見送っており、一度も使ったことはありませんでした。しかし、同業者にですらハワイアンなのにハワイ・コナを取り扱ってないなんてと言われたものです。

私達は少し、うがった見方かもしれませんが、珈琲に求めるものは良い味、心安らぐ甘い香りであって印象を飲むものであってはいけないと決めておりました。その為、当初よりロースターの名前や珈琲のブランドや格付けでハクを付けるよな売込みを避けてきました。これは、こちらの方が正しいという主張ではなく、そういったやり方、生き方をしているお店や人を沢山見てきて私達が選択した生き方です。

まぁ、何はともあれ、うんちくなど気にせずにお茶をして頭をリフレッシュしたり、友達や同僚との距離を縮めるために当店の珈琲を気軽に使ってください。日々、五万の知識と思考を持って、数パーセントをお客様に小分けしてお渡しできたらいいかなと思っています。